1階住戸なので全室、コンクリート床版の上に床組とし断熱材を敷設し省エネ対策としました。
床仕上げは要望によりコルクタイルです。
写真は居間で、コーブ照明を取り入れています。反対側にダウンライト照明を設置して居間全体の明るさを補います。
同じく居間でのダイニングの役割を担うスペースです。ペンダント照明の真下には、大きなテーブルを置く予定です。
食事やノートパソコンでの作業ができます。
造付け書棚が見えますが、インターホンディスプレーや宅内LANパネルを集約して書籍やDVD、CD等のコンテンツと情報設備をまとめてあります。
正面のガラリ引戸は、納戸へ続く建具で、通風確保のためです。
その納戸は、寝室からもアクセスでき、ウォークインクローゼットも兼ねています。
お持ちの仏壇が収納できるスペースを居間に設けました。
上部に仏壇が収納され、建具の開閉形式は軸回しですので読経時などでは開いた建具が邪魔になりません。
下部は開戸の開閉形式で、『経机(きょうつくえ)』などこまごましたものが収納できます。
年一度のお盆に使用される、お盆提灯のためのコンセントも近くに用意しました。
洗面脱衣室です。
照明はすべてLED電球です。
鏡のブラケット照明器具はブラケット部分を鏡の裏に納めることで鏡に映りこませない工夫のある製品です。
スッキリした印象です。
洗面カウンターは既製品で体重計収納が可能なタイプです。
玄関ホールから居間へつづく廊下となります。
右側の壁にはピクチャレールを取り付けました。
撮りためた写真やお好きな絵画を掛けて愉しむスペースです。
夫婦と子供2人の4人家族です。
長期にわたって住まい続けるので、子ども(姉弟)に個室を用意することが要望でした。
個室にはベッドとクロゼットぐらいで、学習などは居間に造りつけた大テーブルで行ない、子供ができるだけ個室に引きこもらないよう計画しました。
大テーブルを、食事をはじめ家族がくつろいだり、だんらんを過ごせる場としてとらえています。
居間に面した個室は、青年期前の子供には独立性を高めず、欄間(らんま)を設けることで、子どもの気配を親が感じとれるようにします。
青年期以降、個室の独立性を高めるときには、欄間部分に可動のガラリをとりつけて通風もかねて、プライバシーを確保します。
玄関から見た廊下です。
既存建具に住友スリーエム製ダイノックシートを使いました。
既存建具を再使用することにしたのは、コストを抑制するためと、クライアントの方の都合で工事作業日が土曜日のみという工程からの理由でした。
玄関ホールです。
今回のようなタイトな工期では、既存の建具を再使用するには、設計時に金物のサイズや丁番のビス位置などを詳細にチェックし、なるべく切り込み等の加工手間を生じさせないようすすめました。
レバーハンドルや丁番もダイノックシートの色味にあわせて、コーディネートしています。
その他では、床段差を解消のためのバリアフリー化や洗面、浴室、トイレなどの水廻りの更新など、ひととおりのメニューがあり、タイトなスケジュールのなか工事をしていただきました。
玄関からリビングへつづく廊下です。
以前は、廊下幅(芯寸法)が1m5cmでした。写真右側に隣接する洗面化粧室や浴室のスペースをわずかでも広げたいので、廊下幅を約10cm程度つめました。
家具などの搬入がスムーズに行なえ、車椅子を使用しないなら、このくらいの幅が適当と考えます。
洗面化粧室です。
この洗面カウンターは、水栓がカウンターの大きな立ち上がり部分に取付いており“水たまり”のできないところが特長です。また蹴込み部分にヘルスメーターが収納できるように工夫がなされています。既製品です。
天井からの照明光の場合、鏡に映った顔の鼻の下には影が生じてしまい、とくに女性は化粧がしづらくなります。小型シーリング照明を横向きに取付け、ホワイトボールで光を拡散させると影は生じません。
機能性を加味した、鏡と照明器具との標準的な納まりといえます。
ダイニングです。
全体を均一な光で空間を照らすのでなく、ペンダント照明器具とフロアスタンドによる、分散した光源が空間に深みをあたえてくれます。
小さなポケットのような空間で食事することで、落ち着いた時間を過ごせそうです。
シニア世代ご夫婦のための住まいです。
料理がこのうえない愉しみとのこと。キッチンが住まいの中心にあったならと、中央にアイランド型のキッチンを配することとしました。
ひとりの時間、ふたりで過ごす時間を一つの住まいにとじこめました。
大きな居間を設けて、一人ですごすスペースをそれぞれ両端に確保し、ふたりのキッチンを中央に配しました。
対面キッチン:
炊事をしながら会話を愉しんだり、配膳や片付けの能率が上がることから人気があります。
写真は、開口部のむこうにキッチンがあり、冷蔵庫や食器棚なども見えます。
キッチンはあくまで作業スペースですので来客時には隠したいですね。
そこで普段は開いた状態の開口部建具が来客時に閉めることでキッチン内部を隠します。
その様子が下の写真です。
建具によりキッチン内部がうかがえません。
トイレ:
一般的に、マンションのトイレでは単独の手洗器は、設置されてないことが多く、便器後方のタンクの蛇口で手洗いすることになります。
これでは不自然な姿勢での手洗いとなり、手に水をつけるといったありさまです。
そこで、単独で手洗器を設けることで、自然体で安定した姿勢で手洗いをすることができます。
同時に、鏡を設けておくと髪形などの身づくろいにもたいへん便利です。
居間:
南側のバルコニーに面しています。
改装前はバルコニーに面して洋室と和室が並んでいましたが居間として一体的に使えるようにしました。
広さを調整できるよう普段は壁に引込まれている引戸で居間を2分割できます。
食堂:
バルコニーに面して居間があり、手前が食堂です。
ここも居間と同じく普段は壁に引込まれている引戸で2分割することができます。
クライアントの要望で食卓用ペンダント照明は、地震時の落下が心配とのことでした。私の提案は、壁からはシンプルな2つの照明器具(見づらいですが。。)を取り付けてみることでした。
ペンダント照明⇒ブラケット照明です!!
この位置に食卓は配置されます。
造作家具:
既存のシステムキッチンにカウンターを伸ばし,下部を食器や調理器具等の収納スペースとしました。
最下段の引出しは、お皿の出し入れがしやすいよう縦に収納します。
私室:
寝室と仕事部屋という用途です。
パソコン作業が中心のため机の下は機器を自由にレイアウトできるスペースを得るため造付け机としました。
左に見える飾り棚には絵画を楽しみたいのでピクチャーレールを設置しました。
出入口の建具は引戸としました。
引戸は、“開け放し”ができることから夏季に通風を得るのに都合がよいです。
和室と居間:
和室を居間と一体的に使えるようにしました。
2方向の戸襖を壁に引き込むことで可能となりました。
ここでは、畳や襖は“縁なし”にして和風の 雰囲気をさけて居間(=洋間)になじむ和室としました。
キッチン:
正面の扉を開くと洗面脱衣室になります。
洗濯、浴室の掃除、料理など家事を同時にすすめることができるようにしました。