■バリアフリーリフォーム

バリアフリーとは、バリア→『障壁』とフリー→『自由』の組み合わさったことばで、直訳するなら『障壁からの自由』といったところでしょうか。

 

 加齢や事故により身体が不自由になってしまった人が、住まいに普通にあった段差の狭さなどが『障壁』となって不自由な暮らしを余儀なくされたりします。

 

 住まいの中に普通にある、これらからの開放が『バリアフリー』であり、具体的な実現のための方法が『バリアフリーリフォーム』です。

 

 

誰しも事故にあうことで不自由な体になることは考えたくないものですが加齢による体の変化は、将来もが経験することです。

 

 

いざ必要になって考えはじめると、相談先費用工事の期間大きい規模の改修となれば引越し仮住まい段取りをせねばなりません。しかもそれは短時間のうちに一度に処理せねばなりません。このようなことを避けるためにも、気持ちにゆとりのあるときに考え、『備える』ことが、誤った判断過剰な投資をさけることになるのではないでしょうか。

 

 

ではバリアフリーリフォームを検討するときのポイントを記します

 

50歳以上の健常な人を対象とした場合10年後リフォームの結果が必要であるか見きわめてみる。  

 

 

今は必要でない手摺などは、無理に取り付けない。取り付けが予想できる箇所に取り付け可能な下地を設置しておき、将来、必要になった時にすぐ取り付け可能な状態にしておく。

 

 バリアフリーリフォーム単独で行わず部屋の模様替えやキッチン、トイレなどの水廻りのリフォームを行うときに同時に行なう。工事費は単独で行なうよりも安価となるためです。

 

 

集合住宅(マンション)は構造管理規約などに制約がありますので注意が必要です。

 

 

 

次に戸建て木造住宅を想した部屋ごとのバリアフリーリフォームを記します。

 

玄関

  

上框(あがりかまち)の段差解消

 

土間部分は車椅子が回転できるスペース確保

 

靴の履き替えを容易にする手摺の設置。

 

足元灯の設置。

 

 

 

廊下・階段 

 

廊下、階段に手摺の設置。

 

階段すべり止め対策。

 

階段昇降機の設置。

 

足元灯の設置。

 

廊下と出入口の幅を広げ車椅子の移動を容易にする。

 

敷居と床の段差を解消する。

 

各室の出入口は引戸にする。

 

 

 

居間・食堂

 

床材すべりにくいタイプ

 

床暖房の設置。

 

視力の衰えが予想できるので十分な明るさの照明器具の設置。

 

使用する家電がふえることから多くコンセントを設ける

腰を深くかがめずに動作できるようにコンセントを床から高い位置に設置。

 

室ごとの急激な室温の変化が体に及ぼす悪影響を考慮し、室温を一定に保つために断熱ガラス複層ガラスを用いる。

 

 

 

寝室  

  

天井からの照明器具は寝ている状態ではまぶしいので、補助照明(スタンド)器具で代用する。コンセントは多く設ける。

 

ベッド使用を基本とする。

 

床材は水ぶきしやすいもの。

 

トイレを近くに設ける。臭いについて対策する。

 

 

 

トイレ 

 

洋式便器とし.、洗浄機能付暖房便座、暖房装置及び緊急通報装置などを設ける。

 

介助人のスペースを確保する。

 

 

 

洗面・脱衣室

 

床材すべりにくいタイプとする。

 

暖房装置の設置。

 

暖房装置用に専用回路としたコンセントを多く設ける。

 

出入口は引戸とする。

 

必要なところに手摺を設ける。

 

 

 

浴室

   

出入口は3枚の引戸程度幅広くする

 

浴室と洗面脱衣室との段差を解消

 

床材はすべりにくいタイプ。

 

浴槽のまたぎ高さは40cm程度とする。

 

必要な箇所に手摺を設置。

 

操作がかんたんなサーモスタット付水栓を設置。  

 

 

 

以上がバリアフリーリフォームの概要となります。

 

◎置くだけでつかえる床置き型手すり

㈱モルテン(カタログより抜粋)
㈱モルテン(カタログより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

この床置き型手すりは、スチールのプレート手すりが取り付いており、使用者の体重がプレートの上にのることで手すり安定し、ふらつかず安心して使用できます。

 

設置するシーンをイメージしやすくするために、 ㈱モルテン のカタログに掲載されている写真を添付しました。

 

また 城東テクノ㈱ も、同様の製品が扱われています。

 

製品について:㈱ モルテン

       城東テクノ ㈱

 

◎ユニットバスの浴槽に手すりが設置できる製品

パンフレット(表面)
パンフレット(表面)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お使いのユニットバス手すりなどを取り付ける場合、壁 への取り付けとなりますが、壁の裏側からナットなどで固定することとなり、隣接する部屋などの壁を撤去してといった、たいへん大がかりな工事となってしまいます。

 

ご紹介するこの製品は、手すりを浴槽の縁取り付けることで浴槽への出はいりを補助できるものでどなたにでも簡単に設置できます。

 

製品について:アロン化成株式会社 

 

◎段差解消の便利な製品のご紹介

イラスト:y.hada
イラスト:y.hada

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

床の仕上げの異なる部屋同士居間和室など)で敷居に段差が生じていることが数多くあります。

一般的に段差が2cmを超えると、車いすは通りにくいといわれます。また2cm未満においても歩行によるつまづきはおこりえます。

 

 

 

紹介するのは段差解消製品です。高さ5mmから6cmまで12段階用意されています。製品の材質は、発砲EVA製(ウレタン)なので切断はカッターナイフで行えます

 

設置にあたっては。専用の両面テープで固定します。

 

この製品について:シンエイテクノ株式会社  タッチスロープ シリーズ

 

 

 

転倒などのアクシデントの前に、いちど対策されてみてはいかがでしょうか。