がらり戸は通風と日射調整の働きをもち、同時に視線の遮断の働きも持ちあわせている建具です。
住宅、特にマンション住戸のような気密性のある小規模な空間では、あえて視線を遮断したい部屋がいくつかあります。
納戸、脱衣室、独立キッチン、トイレなどといったところでしょうか。
フラッシュ戸にアンダーカットといった方法でなく、もう少しがらり戸を積極的に見直してみてはいかがでしょうか。
画像は、納戸部屋に用いた引戸形式のがらり戸です。ショートサーキットを避けて2か所出入口に取りつければ、通気が常時促進されるので、カビ等の抑制につながります。
画像は、マンション住戸の居室内からの撮影です。がらり戸は、西面腰窓に取りつけました。西日がつよい部屋なので、遮光していほしいとのご要望でした。ブラインド、カーテンは遮光できますが通風が得られにくいので、がらり戸としました。
日射が軽減でき、外部アルミサッシを開ければ、空調の不要な中間季では通風が容易に得られます。
素材はステンレスでサテン仕上げとしました。
造形イメージのプロセスは、粘土のようなやわらかな素材で楕円形の筒をかたちづくりその後、指でえぐり出すようにしてその部分でレバーを形づくる。。。
レバーハンドルは手に触れ続けるものだから、手で作られた痕跡をのこしたのです。
フォルムの印象は、機能的な形でありながらも、彫塑を感じるレバーハンドル です。
写真は、クライアントの長年使い続けた愛着あるカップボードです。
依頼内容は、このカップボードの置いてある一隅がうす暗くカップの出し入れも不自由なので部屋を明るくしたいとのことでした。
天井、壁をめくっての照明配線は工事が大掛かりで復旧させるとそれなりの工事金額になってしまいます。
カップボードに照明を仕込めば、家具のみを考えればよく大掛かりな工事と工事代が不要となります。
カップボード内部はもちろんのこと外部にも光がこぼれ、うす暗さの解消になりご要望にそえると考えました。
LED電球が普及してからは、家具内部の照明取付けは容易になりました。
採用した製品はテープにLED電球が等間隔で配置されているドイツのハーフェレのテープライトです。
カップボード平面イラストで黄色くマーキングした箇所に垂直にテープライトを設置いたしました。
製作は、懇意にさせて頂いている箪笥店にお願いしました。
スイッチは、製作側からの提案で下段正面中央の引出し上部の目立たないところに小ぶりなカーエアコン用スイッチを代用しました。
レタースケールとレターナイフが一つになったツールです。
メールや電話が主流になっても手紙を書くことは絶やしたくありません。
手紙を出すとき、封書の重さをレタースケールで量り切手を貼ります。うけとった手紙を読むとき、レターナイフを使って封書を開封します。
反対のシーンを一つのツールがつなぎとめることで、便利さやツールへの愛着が湧き手紙は綴られ続けます。
手紙文化が連綿と続くことを願い、”Letter Ring”と名づけました。
食卓用のペンダントタイプの照明器具です。
器具全体が“すりガラス”仕上げのため均一な明るさの光が得られます。
やわらかな光が食事のひとときをすてきに演出してくれることでしょう。
安定感を感じさせる洋梨のフォルムと明るい色彩が好みということもあり、“La France”と名づけました。
ブラケットタイプの照明器具です。
ブラケットは壁に取り付けるタイプで間接光によるやわらかな光を得ることができます。
わたしたちが祈りを捧げる時には、手をあわせますがそのたたづまいとしての“合掌”をモチーフに形づくりました。
静謐な空間に似つかわしい光が得られる照明器具として“inori”と名づけました。